重力や重心をうまく使って、相手に寄りかかったり持ち上げたり、接触し続けながら即興的に踊る
通称「コンタクト」または「コンタクトインプロ」。
コンテンポラリーダンスの基礎テクニックとして活用されることも多いけれど、
私を含む私の周りには、これが滅法苦手だというダンサーも少なくないような気がします。
(※苦手な理由は人それぞれですが、「人の身体に触ることに抵抗がある」「心の壁がある」ということをまるで無視するかのような振る舞いに納得がいかない、というのが私の個人的な言い分です)
この「コンタクトインプロビゼーション」を始めたのは、
ポストモダンダンスの回で紹介した「ジャドソン・ダンス・シアター」のメンバーの1人である
スティーヴ・パクストン。
この映像をみると、初期のコンタクトインプロは
思っていたよりもゴツゴツとして野生的。
(5:30〜あたりとか、結構本気で危なそうに見えます)
今でいういわゆる「コンタクト」は、もっと流れるように動きを紡いでいくイメージがあります。
たとえばこんな風に。
(シルヴィ・ギエム & ラッセル・マリファント。流麗…)
これは振付が決まっているのでコンタクトインプロではありませんが、
こんな感じでコンタクトインプロのテクニックがコンテンポラリーダンスの振付に応用されることは多いです。
そのため、オーディションやワークショップを受けに行くと
「はい、じゃぁ二人組になってください」と、コンタクト的なワークをやる羽目になることが多く、
その度にいたたまれない気持ちになり、ひどい時には涙目になります。