ドイツのモダンダンス の回で紹介した、
マリー・ヴィグマンの魔女の踊りのインパクトもなかなかでしたが、
ほかにも奇妙なダンスが色々あったらしい、20世紀初めのドイツ。
これまで観てきた中でみんなのリアクションが一番強かったのが、これです。
オスカー・シュレンマー作
「トリアディック・バレエ」 (初演:1922 / 映像は後年収録されたもの)
シーンが切り替わるたびに、なにか動きがあるたびに、
「は?」「なんなの!?」という声が口から漏れつつ、
笑いと動揺が広がります。
予想外すぎる展開の連続に、もう心を持っていかれっぱなしです。
動画は30分ありますが、観たことのない方は
早送りしながらで良いのでぜひ観てみてください。
再生バーのどこをクリックしても、とんでもなく奇天烈な画が待ち受けています…。
何よりも目をひくのは、衣装と美術。
振付とダンサーの身体がむしろ引き立て役のようにも感じられます。
オスカー・シュレンマーは美術家で、バウハウスの主要メンバーの1人でした。
バウハウスとはドイツで1919年に設立されその後の芸術に大きな影響を与えた、
建築・美術・デザインの教育機関です。
舞踊家ではなく、絵画や彫刻の作家であったシュレンマーが
演出・振付・衣装・美術etc.を監修したということで
当時も相当な衝撃を与えたんでしょうけど
(何も知らずに生で初めてコレを見せられた観客は一体どんな気持ちだったのか…)
私たちにとっても、かなり新鮮です。
こんな自由な発想で創られた作品、今の時代でも観てみたいな〜と思います。
こちらは、短い映像。
ヴァレスカ・ゲルト
(ドキュメンタリーからの抜粋のようです。1919-1933)
この人もなかなかのインパクトで、
冒頭から「え?どういうこと?」と言わざるをえません。
革命的・挑発的なダンス・パフォーマーであり、キャバレー等でも活躍したそうです。
マリー・ヴィグマンといい、トリアディック・バレエといい、ヴァレスカ・ゲルトといい、
不意に観てしまったらトラウマになりそうな、夢にでてきそうな姿に、
なんだか妙に心惹かれる私たちです。