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群舞、ユニゾン

宮川さんが「群舞シリーズ」と称して紹介してくれた映像が、

どれもいわゆるダンサブルな「群舞」っぽくはなく、

けれど群舞の良さがしっかり味わえるラインナップでした。

 

ルドルフ・フォン・ラバン

ドキュメンタリー映像です。0:30あたりから群舞シーン。
(再生できないっぽいサムネイルですが、ちゃんと再生できます)

ラバンは舞踊の身体動作を細かく分類し、分析する理論を打ち立てた人

というイメージがあったので、

このなんとも言い難いニュアンスの動きは意外でした。

記述しづらそうな動きを、あえて記述する試みだったのでしょうか。

ラバンは1910年代以降各地に身体運動の研究所・学校を設立し、
マリー・ヴィグマンらを輩出した教育者でもあります。

 

ハラルド・クロイツベルク

これまたドイツの、『パラケルスス』という映画(1943)の中の、ダンスシーン。

まず冒頭のクロイツベルクさんのソロが相当にやばいのですが、

そのやばさがそのまま大勢に伝播して、クレイジーな群舞になっていきます。

正直、かなり怖い!

映画の中に、こんな尖ったダンスを取り入れたということにも驚きです。

 

マギー・マラン「May B」 (初演:1981)

こちらはフランスのコンテンポラリーダンス。

前半40分くらい、ほとんどユニゾン的な群舞が続くのですが、

観ていてちっとも飽きないのが不思議です。

舞踏の影響も感じられるような、

老人(ゾンビ?)を模した身体・メイク・衣装もイカしてます。

 

 

複数の人間が同じリズムで同じ動きをする、ということは

単純に観ていて快感があります。

動きの質感が細かなところまで揃っているほど、

非日常性や、奇妙さ、陶酔感が増すような気がします。

そしてその奇妙さは、ダンサブルな振付よりもむしろ

さり気無い日常的な動きの方が際立つのかもしれません。

2017年07月10日 | 学習